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Hector Berlioz
ベルリオーズ

CD感想

幻想交響曲

バーンスタイン/NYP お薦め度:S+

バーンスタイン/NYP

バーンスタイン

指揮:レナード・バーンスタイン
管弦楽:ニューヨークフィルハーモニック
レコーディング:1963年5月27日 ニューヨーク、マンハッタン・センター

 バーンスタインとNYPとの幻想交響曲には2種類の録音が残されている。このCDは最初にレコーディングされたもの。'68にレコーディングされたものは、録音が私の好みに合っていない。'63の方が私は好きである。バーンスタインのようにどの曲でも、その曲の魅力を遺憾なく発揮できる指揮者はまずいない。誰しも得意な曲と苦手な曲があるものである。だが、バーンスタインには思い当たらない。ベルリオーズの曲は、バーンスタインの手にかかると、それはもう凄いことになる。もう一曲の交響曲「イタリアのハロルド」もそうなのだが、幻想交響曲も凄い。

バーンスタイン

 幻想交響曲は、色彩鮮やかな曲である。様々な楽器が音を出す。魅力的に。そして、大迫力。この曲でバーンスタインは、それぞれの楽器の音が他の楽器の音で潰れないようにしている。各楽器のサウンドがそれぞれ独立して且つ魅力を放って聴こえてくるのだ。このように書くと解像度がよいレコーディングだったのだろうと解釈する人もおられるだろう。それは違う。'63のレコーディング技術である。デジタルではなくアナログ。逆にアナログだからこそ良いサウンドに仕上がったと考える人もいらっしゃるであろう。それも違う。バーンスタインの他の曲を聴いてみて欲しい。他の曲ではこれほど克明に楽器の音が聴こえてきたりはしない。要はバーンスタインは、意図してそのような演奏を奏者に指示を出しているということ。各楽器奏者の表現の仕方も他の指揮者のそれとは違う。当然、バーンスタインの指示である。
 考えてみると、バーンスタインの統率力と芸術性が如何に凄かったのかが窺い知れるというもの。なぜなら、バーンスタインとNYPのメンバーによる芸術表現が、現代のハイテク技術である"ハイレゾ"をも凌ぐサウンドになっているということなのだから。色彩豊か且つ大迫力の演奏で若きベルリオーズの葛藤とシンクロしていただきたい。
お薦め度:S+
(April.18.2020)
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