皆さん、ブルックナーの交響曲はお好きでしょうか?マーラーの交響曲は?どちらの作曲家の曲も壮大、かつ、緻密です。この二つの相反する特徴であるがために、
初めて聴いたときに受ける印象は二つに分かれるかと思います。室内楽なども好きでベートーヴェン、シューマン、ブラームスの交響曲も好きだと言う人がマーラーの
交響曲第1番を初めて聴いて、言ったことは、"長すぎる"でした。約50分。マーラーの交響曲の中では最短ですけどね。でも、すぐに好きになりました。結果、すぐに
2番も聴いて、感動の嵐だとも言っていました。
ブルックナーはどうでしょうか?ブルックナーの交響曲の中で初めて聴く割合が高いのは、やはり8番、7番、4番あたりかと思います。私の場合は、8番では、
第4楽章の冒頭でK.Oされました。が、曲全体を理解するには、相当な時間が必要でした。マーラーもそうですが、ブルックナーも後期の曲になればなるほど深淵で難解に
なってきます。では、4番を聴いたらどうなのか?というと、それでも難しいと言わざるを得ません。そこで、一体何が難しいのかを自分なりにまとめてみました。
難解にしている原因は二つほど考えられるかと思います。
1.演奏時間が長い
2.楽想がよく分からない
1.演奏時間が長い
演奏時間は、チェリビダッケという指揮者とミュンヘンフィルがかつて8番を100分で演奏しました。通常は80分ほどです。ですが、ブルックナーが好きな人は、演奏時間が長くても
問題なく聴きます。ベートーヴェンの第9も60分を超えますが、みんな好きですよね。異性を好きになるときと同じかもしれません。好きになってしまったら仕方がないんです。
好きなんです。曲の長さも。80分の曲を聴き終えたときの感動は、演奏時間に比例するといっても過言ではないかもしれません。感動もすさまじい。
2.楽想がよく分からない
ポイントはここだと思います。難解な楽想にあると思います。でも、これも上述と同じで好きになったら仕方ない。どころではないかもしれません。ブルックナーの曲を好きになったら、
マーラーの曲ほどにはまり込んでしまうかもしれません。そんなに良い曲なのか?と分からない人は思うでしょう。私もかつてそうでした。感動するポイントを全く掴めなかったことを
覚えています。少し脱線します。私が難解な曲を理解するためにすることは、皆やっていることと同じかもしれません。何度も繰り返し聴くということです。一日に何度も聴くことは不可能です。
音楽を聴こうと思ったとき、必ず聴くようにしています。何故か?難解な曲を理解したときの感動は半端なものではないからです。自分にとっての難解な曲というのは、自分の分からない
知らない領域にある曲ということです。それを理解するということは、自分の中に新たな境地が生まれたと言えると思います。分からなくて知らない領域を理解して知ったからです。
そういう感動と、曲本来の素晴らしさに対する感動が重なって、半端な感動ではなくなるということです。うんちくですが、音楽がただ好きなだけかもしれません。ははは。
ただ、このようなことをするのは難解な曲を見つけて理解したいという欲求が生まれたときだけです。1年中、難解な曲を聴いているわけではありません。
話を元に戻します。ブルックナーの楽想の難解なところは、極端に言うならば、一輪の花のような楽想から突然、豪壮な楽想になったりするところかと思います。この真逆の楽想の転換に
耳というより、心がついて行けないのではと思います。どう理解すればというか、どう想えばいいのか、よく分からない、ということではないでしょうか。では、どうすれば?次回に続きます。
(4.7.2019) Part2へ移動(リンク)