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Ludwig Van Beethoven
ベートーヴェン

曲目解説&名盤紹介

交響曲第1番ハ長調

曲目解説

 中期のベートーヴェンの傑作群とは大きく異なり、初期のベートーヴェンらしくモーツァルトの影響を強く受けている。爽やかで清々しい楽想。だが、モーツァルトのコピーなどとはとても言えない内容となっている。誰もやったことのないことを色々やっている。ベートーヴェンは様々なアイデアが湧き出てくる人であるし、メロディーメーカーでもある。この曲はピアノ協奏曲第1番の後に作曲され、成功を手にしたベートーヴェンが、颯爽と風を切って前へ前へ進んでいくようである。演奏機会や聴く機会は少ないが、初期の傑作に入るであろう。

第1楽章
 序奏の後、弾むような主題が始まる。この頃のベートーヴェンのウィーンでの快進撃を物語るように颯爽としていて、足取り軽やかに、さらには拍車がかかったように前へ進んでいく感覚である。聴いていて非常に気持ちがよい。ベートーヴェンの曲は初期の作品でも聴く人の心を健康にする曲ばかりである。



第2楽章
 緩徐楽章。ベートーヴェンらしさのある緩やかな曲で、初期の曲でよく聴かれる華やかさもある。ウィーンで独立を果たして間もない頃の作品で、若々しくウキウキした楽想でもある。聴きやすく品のある曲。

第3楽章
 メヌエット。ベートーヴェンは交響曲第2番からメヌエットの代わりにスケルツォを考案し、生涯スケルツォを書き続けた。メヌエットは舞曲であるが、緩やかなダンスのための音楽である。スケルツォは舞曲メヌエットよりさらにテンポアップしており、活発な音楽。この楽章はメヌエットと銘打っているが、明らかにスケルツォである。ベートーヴェンは、第1交響曲で既にメヌエットでは、交響曲の構成上、劇性が足りないと考えていたのであろう。

第4楽章
 第1楽章同様序奏があり、ソナタ形式をとっている。が、終楽章らしくスピード感と勢いがあり、聴く人の心を高揚させる。

 30分ほどの曲で、中期以降の交響曲と比較すると物足りなさを感じるが、この曲は中期の傑作群とは違う魅力を放っている。非常に華やかで、聴く人を幸福な気持ちに誘う。もちろん、中期以降の曲も最後は幸福感に包まれるが、幸福感でも種類が違う。中期以降の曲からは、達成感を伴った幸福感を味わうことができるが、この交響曲第1番からは、若い人が将来の成功を夢見ているようなウキウキ感を感じることができる。

 この頃、ベートーヴェンはウィーンのサロンで快進撃をしているところであり、さらにコンサート用大規模作品であるピアノ協奏曲第1番での成功もあり、続くこの交響曲第1番でさらなる飛躍を目指したのであろう。向かうところ敵なしといった絶好調のベートーヴェンの心境が垣間見える。

名盤紹介

 お薦め度:S



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