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JOHANN SEBASTIAN BACH
ヨハン・セバスティアン・バッハ


 バッハというと、オルガン曲を想像する人が多いかと思う。”トッカータとフーガ”があまりにも有名だから。確かに素晴らしい曲である。だが、”無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ”、”ゴールトベルク変奏曲”、”無伴奏チェロ組曲”など独奏曲もずば抜けて素晴らしい曲がある。私はとくに”無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ”の凄さに脱帽である。ヴァイオリン1本でここまでの表現ができるのかという音楽。あまりの深さにただただ、この6曲を作曲し残してくれたバッハに感謝するしかない。バッハがどれほど偉大かというのは、この曲を聴けば分かる。絶対。



 ところで、”無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ”をモーツァルトもベートーヴェンも聴いていない。不思議に思われるかもしれないが、この曲はドイツのとある教会に隠されていた。発見が遅れたために世に知られるようになったのは19世紀になってから。ブラームスと親交の深かったヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの貢献により特に無伴奏の形態で演奏されるようになった。要はあまりにも曲が難しく、理解できなかったのであろう。バッハ存命中はどういう曲かということは当然理解されていたであろうが、バッハが世を去った後、譜面が隠されたために演奏されなくなった。難解なこの曲は、演奏法を引き継いでいかなければ正しく演奏できなかったのであろう。だからこそ、メンデルスゾーンやシューマンですら理解に苦しみ、伴奏を付け加えた。

 何故、バッハの曲は隠されているのか?今もまだ発見されていない曲があると言われている。バッハの曲を嫌がるもしくは恐れる者がいたと思わざるを得ない。ゴールトベルク変奏曲を聴いて欲しい。この変奏曲は第30変奏まである。最初と最後のアリアを含めると32曲で構成されている。この32曲ある変奏曲の第25変奏が一番長い曲である。しかも、この第25変奏は不気味な雰囲気を醸し出している曲だ。一体、なぜこのような曲をバッハは作曲したのであろう?理由はなんとなく想像は付くが、敢えて明言は避けておこう。バッハは偉大である。


CD感想(お薦めの名盤など)

***無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ”***
ソナタ第1番ト短調
ソナタ第2番イ短調
ソナタ第3番ハ長調
パルティータ第1番ロ短調
パルティータ第2番ニ短調
パルティータ第3番ホ長調
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