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Leonard Bernstein

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Dvorak/ドヴォルザーク

CD感想

弦楽四重奏曲第12番ヘ長調「アメリカ」


エマーソン弦楽四重奏団

エマーソン弦楽四重奏団

 ヴァイオリンを習い始めて3か月が経過した。一月半ぐらいは、私が独学でやろうと思った頃、買った練習本を使ってレッスンをやっていたのだが、これでは上達が遅いということで、鈴木教本をメインでやることになった。で、日本名「こぎつね」というドイツ民謡を弾くに当たって、”スタッカートで弾いてください”と言われた。それで、”ああ、最初にキラキラ星でやったアレか”と思い、弾いたのだが、先生の手本と比較すると、音の響きが違う。先生は、”こうやって音を飛ばすのだ”とヴァイオリンを弾きながら解説してくれた。どうやら、キラキラ星のとき、弾き方がイマイチ理解できていなかったようだ。YouTubeで検索して出てくる手本は確かに先生のように音が飛んでいく。いざ、自分でやってみても、音が飛ばせない。YouTubeの解説の一つは、音を鳴らした後、弓を1mm弦から浮かすと言うではないか。一方では、弓の毛は弦に触れていてもいいが、弦に圧力をかけてはならないと言う。この二人、無茶を言う。そんな芸当、シルクドソレイユの人ぐらいしかできないであろう。と思っていたが、懲りずに練習を繰り返していたら、なんと、だんだん様になってきた。その二人の内、一人が上達は練習量に比例すると言っていた。その意味が分かった気がした。そこで、今回は弦楽器のスペシャリスト、エマーソン弦楽四重奏団のCDを紹介する。

 元々ヴァイオリンを習い始める前からエマーソン弦楽四重奏団の凄さは認識していた。もう、とにかく4人がすこぶる上手い。明るく勢いのある曲は弾むように演奏するし、おとなし目の曲は、情感を込めてしっとりと演奏してくれる。と書くと、”他の四重奏団でもそうだけど”。と宣う人もおられるであろう。だが、エマーソンは、随分違う。聴いていて一番顕著に”これは凄い!”と思うのは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲なのだが、このドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」もぐっとくる。ヴァイオリンを習い始めた今は、さらに凄いと思う。さらにぐっとくる。オケでもそうだが、カルテットの曲を聴くとき、ウィーンを代表するようにヨーロッパの楽団の演奏が最高と思い込んでいる人が多い。出身が独墺の作曲家の曲は、独墺の演奏家がよいなど。どの演奏を聴こうが、それは聴く人の自由。しかし、あまりそういった先入観を持っていると、凄い演奏を聴き逃すことになる。ヨーロッパでもロンドン響の演奏レベルは相当ハイレベルである。ベルリンフィルやウィーンフィルを超える演奏もある。だが、前述のような先入観があると、避けてしまったりする。これは非常に勿体ない。そのような色眼鏡は外したほうがいいと私は思ったりする。また、アメリカのオケと言えば、5大オケなのだが、それ以外にも凄いオケはある。マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ響の演奏の凄さは、特筆すべきものがある。私は最近まで知らなかったのだが、サンフランシスコ響のPodCastを聴いてビックリした。サンフランシスコの人が本当に羨ましく思う。話が逸れた。エマーソンのドヴォルザーク。こういう惚れ惚れする演奏は滅多に出会うことができない。聴かなきゃ損というやつである。
お薦め度:S
(November/2/2019)

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