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Ludwig van Beethoven
ベートーヴェン

CD感想

交響曲第7番イ長調

カラヤン/ベルリンフィル(Live) お薦め度:A+
セル/クリーヴランド管 お薦め度:S

カラヤン/ベルリンフィル(Live)

カラヤン

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
管弦楽:ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
レコーディング:1978年1月28日 ベルリンフィルハーモニー(Live)

 カラヤンが指揮すると、キリリと引き締まり端正な演奏になるが、バーンスタインほどの情熱は感じない。だが、カラヤンの数少ないライヴCDを聴くと、セッションレコーディングだからパッションを感じなかっただけだと思い知らされる。カラヤンインモスクワなど好例で、凄まじい熱気と凄みを感じる。だから、ライヴCDを聴くことはやめられない。このベートーヴェンの交響曲第7番もそう。大オーケストラから色々なものを引き出す。得も言われぬヴァイオリンの音色、決して縦の線がズレない抜群のバランス、セッション同様の弦楽器とホルンの音の美しい融合、そして楽団員の気迫。これらが重なり、我々の心を鷲掴みにする。カラヤンの演奏を生で聴けた人は少なくなってきたかもしれない。私も生で聴いたことは当然ない。が、ラジオで生放送は聴いた。今思い起こしてもセッションとは違う。私が記憶しているのは、ブラームスの第1番とベルリオーズの幻想交響曲。分厚いが、澄んでいて大迫力の演奏だった。残念ながらベートーヴェンの交響曲のライヴ放送は聴けなかったが、このCDで堪能している。是非聴いて欲しい一枚。しかし、このCD、なかなか再発売をしてくれない。何度も再発売はされているが、たぶんプレスした分がすぐに売れてしまうのであろう。だから常に入手困難に陥る。欲しい人は再発売を気長に待っているしかない。きっとまた再発売される。
お薦め度:A+
(April.20.2020)
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セル/クリーヴランド管

セル

指揮:ジョージ・セル
管弦楽:クリーヴランド管弦楽団
レコーディング:1959年10月29,30日
 日本人でジョージ・セルをご存知の方は、中年以降の人ばかりかもしれない。アメリカのクリーヴランド管弦楽団を超一流のオーケストラに育て上げた指揮者である。 初めてセルとクリーヴランド管の演奏を聴いたのは、FMラジオでした。曲は、ベートーヴェンの交響曲第7番。このCDです。7番はそれまでにFMラジオで何度も聴いていました。 クライバーとバイエルン国立管が来日したときは、テレビでコンサートの模様を視聴しました。ラジオでも聴いたと思います。なんせクライバーの4番、7番は凄い人気ですから。 クライバーの4番を聴いたときは、最初から終わりまでノックアウト状態でした。それは置いといて、それまで聴いた7番は誰の指揮だったかハッキリとは覚えていませんが、 ラジオばかりでしたから、当然、有名どころの指揮者とオケです。その当時、1週間分のラジオ番組リストを入手するためにFMファンなんて雑誌もありました。懐かしい。
 それで、チェックしてると、ベートーヴェンの7番をセルとクリーヴランド管というコンビでの放送を見つけました。10代の私には、まだまだ知らない指揮者もいました。 ムラヴィンスキーとか。ただ、セルはその当時、すでにご逝去しておられました。オケの名前も初耳でした。どんな指揮者でどんなオケなのか、興味津々で聴き始めてすぐに 凄さが分かりました。指揮者の解釈は、曲を端正に整えつつも各パートがエネルギッシュで怒涛の如く駆け抜けていく。それでいてうるさくならないどころか、耳に心地よい。 そして、クリーヴランド管の見事な合奏。正確無比。リズムなど絶対ブレない。とにかく、聴き終えるまでビックリし通しでした。こんな凄いオケを知らなかったとは・・・・・
 今年、このコンビのベートーヴェンの交響曲全集を手に入れました。ずーーーーーっと、欲しいし、聴きたいと思っていたCDなのに今年になるまで、何故か入手してなかった。 今日、久々に7番を聴きました。やっぱり、凄い!色褪せるなんて言葉は永遠に来ないであろう。若い人は知らない人が結構いるのではないだろうか。是非とも聴いて もらいたい。
 ところで、不思議なことがあった。以前、ブログをやっていたとき、ドイツ・オーストリア系の作曲家が好きで様々な演奏を聴きまくっている人がいました。確かにブログで 紹介していたCDは、いい演奏ばかりだったと思います。ただ、その人の好みの演奏スタイルは、ソウルフルというよりは端正に整った演奏に惹かれていました。たぶん、 クライバーとかは苦手だったのではと思います。でも、不思議なことにセルとクリーヴランド管の演奏はあまり好きではないと書き込んでいました。その人が言うには、 完璧すぎるのだとか。その意見に同調する人がもう一人いました。同調した人のことはよく分かりませんが、その人の好みでいくと絶対心惹かれるはずの演奏なんです。 その人が、紹介していたCDは私には、完璧さを求めた演奏ばかりなのでは?と思ます。ですから、大好きな演奏だと思うんですよね。そのことが、今でも不思議でなりません。 どこかの誰かに逆のイメージを放り込まれた気がしてなりません。ただ、私は、セルとクリーヴランド管の演奏は正確で美しい演奏ですが、ソウルフルも感じます。本当に そう思いますよ。なぜなら、ソウルフルな演奏が大好きな私が言うのだから。ははは。
 なぜ、こんなことを書いたかと言うと、変なすり込みやイメージを放り込んでくる人に騙されないでほしいからです。凄いですから聴いてください。保証しますよ。¥^^
お薦め度:S
(August.14.2018)
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