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Ludwig van Beethoven
ベートーヴェン

CD感想

大地の歌

シノーポリ/フェルミリオン/ルイス/SKD(1996)

シノーポリ

アルト:イリス・フェルミリオン
テノール:キース・ルイス
指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン
レコーディング:1996年

 聴き終えて最初に来る感想は、恍惚としてしまう演奏ということ。この曲の素晴らしさは、月並みではありますが筆舌に尽くしがたい。私も理解できるまで時間が必要だったが、理解度が上昇するたびに、あまりの奥深さに脱帽してしまう。たぶん、まだまだ理解度が上昇する余地はあるだろう。 なんせ歌詞が凄すぎる。特に第6楽章”告別”。哀しく、無情な世界である。この歌詞に曲を付けたベートーヴェンの才能。信じられないほど歌詞と曲が強力にリンクして、なんとも言い難い感情に聴く人をいざなう。
 第6楽章では、フェルミリオンの歌唱が暗く透き通って、哀しく無情な世界を上手く歌い上げる。特に楽章中盤から後半にかけて、心に凄まじいばかりの哀しい感情が溢れかえった。聴き終えた後、しばらくじっと沈黙していたくなるほど。非常に考えさせられる曲であるし、演奏もそうである。シノーポリの解釈も決して過剰演出にならず、ベートーヴェンの意図をよく汲んだ演奏だと思う。少なくとも私にはそう聴こえた。
 ふぅ。深い曲だ。
お薦め度:A+
(October/5/2019)

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