ADAGIO MISTERIOSO

著作権について

八卦(Metallica)

 最近では、スラッシュメタルと言っても、さほど怖いというイメージが湧かない人が多いのではなかろうか?そもそも、スラッシュメタルを知らなければ、「それは何?」となるだけである。即ちメタルを聴かない人はそういう感覚であろう。だが、メタルを聴いとる人でも、スラッシュメタルに対する感覚に変化が見られるようになったと思う。私が大学生の頃、90年代前半のとき、スラッシュメタルを聴いとるファンは日本ではほとんどいなかった。聴けば分かると思うのだが、恐ろしい曲ばかりなのだ。楽想も歌詞も。私が大学1年のとき、1990年だったが、メタリカの5枚目のアルバム「Metallica」が発売された。全米で大ヒットとなり、売り上げ枚数は、アメリカンハードロックで1番人気がったと言われるバンドを遥かに凌ぐ数を叩き出した。現在でも売れ続けとる脅威のアルバムである。だが、その当時の日本では、メタリカの名前はかなり認知されたのだが、メタリカが好きで聴いとるという人はまずいなかった。私の周りでハードロックやメタルを聴く者は結構いたが、誰もメタリカを聴いていなかった。だが、私は、全米で大ヒットしとる事実がある以上、凄いバンドなんだろうと思い、レンタルCDでそのアルバムを借りて聴いた。正直言って難し過ぎた。その頃に発売された他のバンドのアルバムは結構あるが、楽想がまるで違う。他のバンドの曲は、恐ろしいという感覚は湧いてこなかった。だが、メタリカの曲は難しい上に恐ろしい感覚に包まれるのだ。だから、もう少し聴けば分かりそうな気もする曲もあったが、結局、借りてきて聴いた後は買うこともなく、聴かなかった。だが、メタリカという名前は頭にずっと過ぎり続けていた。それで、あるとき、CD屋でメタリカの「...And Justice For All」というアルバムを手に取った。そのジャケットを見て、たまらなく欲しい衝動に駆られた。だが、聴いても難し過ぎるかもしれないから、止めておこうという気持ちもでてきた。だが、結局は買った。それで、自宅の強力なアンプとスピーカーでそのアルバムを流した。1曲目からビビった。スラッシュメタル自体を聴いたことがなかったから、尚更ビビった。間違いなく恐ろしいのだ。で、アルバムを手に取ってジャケットを見る。ジャケットには、明らかに女神が載っとる。楽想とそのアルバムジャケットのイメージが相反すると漢した。恐ろし過ぎて聴いてて辛いのだ。だが、何とか最後まで聴いたと思う。だが、これは、俺の理解を超えていると思った。だが、その後、2回ぐらいチャレンジして聴いたと 思う。だが、結局、さっぱりどういう曲なのか分からなかった。で、その時スラッシュメタルという曲は、恐ろしい楽想と共に極めて難しい音楽だと認識した。だから、それ以降メタリカのみならずスラッシュメタルを聴くことはなくなった。その当時の日本のメタルファンの普通の反応だったと思う。

メタリカ

 だが、月日は流れ、40歳ぐらいになった頃、私は10代の頃のようにクラシック音楽ばかり聴くようになっとったのだが、YouTubeでたまたまメタリカの「Unforgiven」という曲を聴いた。この曲は、5枚目のアルバム「Metallica」に収録されとる曲。聴いてすぐ思ったのは、自分の理解力が向上しとること。なぜなら、その曲の良さが分かったから。しかも、今まで聴いたことのない楽想でなのだ。バラードなのだが、今まで聴いたハードロックやヘヴィメタルのバラードとはまるで違う。深く重く、悲しさと怒りが混在しとるのだ。その凄さを理解したその時、何故メタリカがその時、大ヒットしたのかが分かった気がした。だが、そのアルバムを購入するまでには至らなかった。他の曲を理解する自信がなかったのとクラシックばかり聴いていたからだと思われる。だが、その後、2020年ほどにメタリカがどういうバンドが教えられた。メタリカは悪と戦っていたバンドだったのである。だから、歌詞を読むと強烈な内容ばかりである。時には悪を叩き潰し、時には、正義を行わなければならない立場の者の中にも悪がいることに気付きそいつらを糾弾する内容を歌っとった。それで、これは聴かなくてはならないと思い、1枚目から順番に聴いた。1枚目から強烈な楽想である。しかも、難しい。だが、このように強大な悪と戦っとる人達の音楽は私は絶対聴きたいし、理解したいのだ。1枚目のアルバムを聴いた印象は、このアルバムなら自分でも理解できそうという感覚だった。それで、毎日繰り返し聴いた。すると、クラシック音楽のようにジワジワ曲を理解できるようになってきた。そして、全曲理解できた。で、思ったのは、メタリカというバンドの凄さをその当時理解したアメリカ人に敬服という気持ちだった。次に2枚目のアルバムを聴くが、やはり難しい。1枚目より各段に難しくなっとった。

メタリカ

 その後、4枚目まで完全に理解できた。5枚目を聴いとる最中に音楽を聴く余裕がなくなりそのままである。だが、1枚ずつ聴き進んでいくごとにメタリカが如何に稀有なバンドなのかということを思い知らされた。そもそも、ヘヴィメタルを創始したのはブラックサバスであり、その凄さは皆認知しているであろう。その後、LAメタルムーヴメントを巻き起こしたドン.ドッケン。彼の凄さも見過ごすことはできない。ドッケンの登場まではメタルを聴くのは、ほぼ男だけだった。だが、彼は世界中の女性にもヘヴィメタルの良さを認知させたのだ。ドッケン以降、ドッケンが創り上げたスタイルの曲が巷に溢れかえった。売れまくるからだ。だが、そのムーヴメントを余所にメタリカは、LAメタルムーヴメントの真最中にスラッシュメタルを創造した。これ自体驚異的なことだが、その音楽を常にレベルアップさせ、遂には世界の頂点に至った。楽想、歌詞の内容、どちらも考え尽くされて作られているのがよく分かる。ほとんどの曲をジェイムズ.ヘッドフィールドとラーズ.ウルリッヒが作曲しとる。この2人の業に感服せずにはいられない。しかも、ライヴの完成度。あれだけの超絶難度の曲をライヴでアルバム以上に演奏するのだ。メタリカの音楽は未来永劫聴き継がれていくであろう。それぞれのアルバムの内容については、アルバムのページで紹介していきます。  

CD感想


Kill 'em All(キル・エム・オール)
Ride the Lightning(ライド・ザ・ライトニング)
Master of Puppets(マスター・オブ・ピュペッツ)
...And Justice for All(アンド・ジャスティス・フォー・オール)
Metallica(メタリカ)
Copyright (C) ADAGIO MISTERIOSO. All Rights Reserved.
inserted by FC2 system